男女平等の権威・オンブッド

男女平等オンブッド(Gender Equality Ombudsman)
男女平等センター(The Centre for Gender Equality)


オフィス街の一角にある男女平等オンブット・男女平等センター
 オンブッドは男女平等を監視し採決する機関で、男女平等センターは、平等に関する一般的な情報を提供し、PRするところと役割を分担しています。2つとも家族子ども省の下に位置付けられており、独立の機関です。これらで男女平等政策を推進しているとのことでした。
 現在、全労働力の46%が女性で、政治に関わる女性も増え、国会議員の36%、閣僚の42%が女性です。女性の高学歴化は急速に進みますが、出生率は1.8まで回復してきています。しかしながら問題もあり「地方議員の数は過去10年間伸び悩んでいること(32%→34%)。企業の幹部に女性が少ないこと。上場企業に女性幹部がいないこと。これらのことを解決してゆきたい」と男女平等センターのアンネさん。

男女平等オンブッドからのインビテーションレター

オンブッドの仕事についてエリセさんの話。
2000年7月クリスティン・ミーレさんが第4代オンブッドに就任。スタッフ9名のうち7名が法律の専門家で、入ってくるいろいろな質問に対応しており、そのほとんどが法律的にはどうかという内容です。
1.問題点を指摘し情報を提供し、自分で解決してもらうことが基本で、これで解決することが多い。できない場合はオンブッドで裁量することもある。男女平等法は、宗教団体に関わる事項と個人生活に立ち入ること以外のすべての分野に関わるので、適用範囲は広い。
2.新しい法ができるとき、平等法の観点からどのような影響を受けるか評価すること。新たな法や法案についてヒアリングをしたり、講座を開いて講義をしたりもする。
3.もう一つ大事なことがメディア対応。メディアとたえず連絡し、情報を提供すること。メディアを重視することによって、平等法を国民により浸透させることが可能になるという。
 平等法は、性別によって扱いが変わることのないようにということ、それを監視するのがオンブッドの最も重要な役目です。苦情の9割以上が労働に関係し、特に女性の賃金に関して、法的には違反だが、同じ場所で同じ仕事をしているのに給与が低い場合が実際には多くあり、オンブッドとしては、賃金格差などの理由を説明できない場合、それが差別と判断しています。
 私たちは招待状のお礼を述べましたが、それがなぜ必要になったのかと逆に質問を受けました。旧姓を使用している仲間が送っていただいた招待状のおかげで、 両姓併記のパスポート を獲得できたのです。ノルウェーでは婚外子の相続差別撤廃の民法改正がなされたのは1915年で世界初!夫婦別姓の合法化は1980年に実現しています。
 他に、家族経営の小規模農業の場合、女性への収入配分はどうなっているか。年金や社会保障制度はどうなっているか。男性に対するポジティブアクションはどうなっているか。男性助産士の有無など、それぞれの国の実情について情報や意見の交換を行ないました。
 今後目指すことは、との質問に「女性が大企業の幹部に就くように。男性がもう少し介護、医療など福祉の分野で働いてくれるように。家庭内暴力に関心をもつように。若者に対して、もっと男女平等の意識をもつように」と答えがありました。


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