女性の歴史を繋ぐシェルター・女性博物館

シェルター(クリスセンター)


連絡先や支援の内容が書いてあるシェルターのパンフレット。
 このシェルター(※1)は1982年3月8日(国際女性デー)にオープンしました。1978年には、ノルウェーで最初のシェルターがオスロにでき、同じ頃にできたシェルターのひとつです。場所は明らかにできないので、1ヵ月に1回、新聞に広告を出しています。
滞在期間は、3ヵ月が一応の期限で、10人まで受け入れが可能です。はじめた頃は、国からの助成金もありませんでした。シェルターが必要性を理解してもらうため、証拠,統計などの文書を基に、説得に奔走しました。
85年になって、助成が出るようになりましたが、国の予算ですべてがまかなえるようになったわけではなく、自主的なボランティアは必須です。正職員3.5人分の仕事を分けて、10人が働いています。
 ここは、中立を保ち、どこかの組織や宗教にもかかわりません。職員の中には、サバイバー(※2)の人もいます。建物は自治体から借りて,家賃を払っています。ノルウェーにある約50ヵ所のシェルターはみんなこのような形をとっています。
 以前と違って、女性が助けを求めるということは、何も恥ずかしいことではありません。
女性が悪いから虐待されるのだという考え方は、もう捨てていいのです。
※1 シェルター:親密な関係にある男性からの暴力(DV:ドメスティックバイオレンス)を受けた女性のための緊急避難所
※2 サバイバー:被害体験者、暴力からの生還者


国立博物館15カ所中で一番小さい女性博物館

ノルウェー国立女性博物館
(The National Women's Museum)

コングスヴィンゲルにあるこのミュージアムは全世界で5カ所ある国立女性博物館のうちの1つです。 常設はこの博物館を生家とするノルウェーの劇作家である女性、ダグニ・ユール(1867−1901)の展示で、その他特別展(毎夏に展示を入れ替える)や学校の授業のための特別 プログラムもあります。また、喫茶室「カフェ・ダグニ」が併設されています。
ここは、150年前に建てられました。
紆余曲折を経て、11年前廃屋のようになったこの建物を処分してしまおうという動きがありましたが、この歴史ある建物を保存し「女性博物館を開設するように」と行政に働きかけました。運良く政策決定の場にいた多くの女性議員の応援によって、予算がつき,この家を買い取り、6年かけてこの家を修理して、4年前には格付けが国立になりました。
ここは、財政的にも限られた中で運営をしています。運営経費は、国からの助成と他からの助成や支援です。いろいろなプロジェクトを手伝う人など、多くの人のボランタリーな力を借りてここを運営しています。



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