■新春別姓あれこれ語る会報告

いろ〜んな結婚観
〜ビデオを観て、あれこれ語り合う会〜

                                                  大友章弘
 
 今回の2000年1月15日の例会は、初参加のカップル、秋田在住の事実婚の女性と
その友人(仙台在住)、ホームページを見て東京から来た学生さん、エルパーク仙台
に来てたまたま看板を見て参加したという男性と女性、そして運営を担当している会
員等、計14名という、久々に盛大な会になりました。

^ビデオを観てアレコレ言うべや!
 去年、放送されたテレビ番組のビデオを二本見ました。一本は、NHKスペシャル
『世紀を越えて』〈シリーズ放映中〉です。結婚観の変化を、フランスの新法〈PA
CS法〉制定と、アメリカの再婚家庭を特集したものでした。もう一本は、東北放送
の『週間パパラビゾーレ』の、ジェンダーフリーについての特集でした。本当は、も
う一本見るはずでしたが、時間の都合上、割愛することになりました。
 ビデオ鑑賞後、樋口さんの司会でディスカッションとなりました。以下、そのとき
の話題の内容を、かいつまんで報告します。

_フランスのPACS法は素敵だ!
 『世紀を越えて』で取り上げられたフランスの新しい婚姻に関する法律PACS法。
この法律は、従来からの婚姻を否定しフランス国内で急増する事実婚カップルを、法
益の下に置き、一般的な婚姻カップルと同様の権利や相続が享受できるようにしたも
のなのです。しかも、この法律の射程は男女だけではなく、女女及び男男にも及びま
す。すなわち別性・同性の区別がないということです。斬新と言えるでしょう。
 フランス国内では、PACSカップルを「紙切れの上の危うい関係」と見て、従来
からの結婚の否定・家庭の崩壊・神への冒涜・伝統の荒廃などをとなえ、宗教団体や
保守的な人々が反対をしている〈今となっては「していた」ですが〉のを見ると、な
ぜか日本の「別姓問題」と同様の動きを見ているようで、笑ってしまいました。どこ
も同じなんですね。
 「日本にもあったら利用したい...」会場の方からも2〜3名。かく言う私も。宗
教や国家によって認められるのではなく、個人と個人の意志によって、結びついてい
きたいとする人々を、無理矢理押さえ込まずに、もっと理解し合い、協力し合ってい
けたら、自由民主主義はもっと豊かになるのになぁ?と思うのでした。

`離婚女性の被不利益不安!
 東京から来た学生さんの友人の女性が、離婚による氏の変更で、勤め先で不利益な
扱いを受けるのではないかと不安になっているということでした。離婚した時点での
夫の氏を使い続けることができること、それによって企業側から不利益を受けるので
あれば、企業に責任がある旨、会員から説明がありました。男女雇用機会均等法・男
女共同参画基本法ができても、社会が動き出すまでには、タイムラグが付きものなの
でしょうか。

a事実婚は、やっぱり親がネックなのね。
 秋田から来た女性は、事実婚をしています。その方の話は、都会・地方を問わず、
親の理解を得にくいということでした。特に、男性側の両親は「嫁はもらうもの」と
いう意識が強いようで、「なぜ籍を入れないのか?」と責めているようでした。自分
たちより上の世代を解きほぐすのは、根気がいりますね。 フランスでも、アメリカ
でも、こういうことって、世界共通なのでしょうか。

b別姓婚の話題のポイントは、子どもの「氏」だね、やっぱり。
 飛び入り参加の男性から「子どもの氏がバラバラでは、いじめの原因にならないか」
という質問がありました。そういういじめをさせない世の中にするのが、親そして大
人の責任との意見がありました。「ビデオで見ると、外国ではないようだけれど...」
という声もありました。「文化が違うから...」とその男性の方は答えるにとどまり
ましたが、今も子どもの「氏」の問題が、別姓反対論者の「人質」にされているなぁ
と、私は思ったのでした。

c別姓推進者は、自分の「姓」に固執しているの?
 これは、ある女性から。何度も問われ続けて来ている質問ですが、その度に答え続
けていかなければならないと、私は思います。「そういう人もいれば、そうじゃない
人もいますよ」と。
 出生とともに、自分のあずかり知らぬ間につけられた「氏名」。自分の成長とあい
まって、自らの血となり肉となっていき、人格権の一部としての「氏名権」になりま
す。さらに経済活動によって、付加価値的に生じる「氏名」の力。これらの中で人間
は生きています。結婚して相手の「姓」になりたい人はなってもらっていいんです。
「個」と「個」が対等に結びつきたい。「結婚したって、仕事はバリバリやるわよ!」
と言う人たちが、自由にのびのびできる世の中を、私たちは作っていきたい。ただそ
れだけなのです。
 自分が「自分」でいられる世の中は素敵だ!

dジェンダーフリーだって、大切だぞ!
 この問題は、時間の都合で、話題にはあがらなかったのですが、重要な問題である
ことは変わりません。そのうちに、例会話題として一本立ちするかもしれませんね。
 他にも、帰化について、改氏改名の話がありましたが、割愛します。 

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